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・ブラボーのおやつ日記 14 思い出の焼き栗編
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手のひらの上の焼き栗
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その手は桑名の焼き蛤
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冬になるとパリの街角には焼き栗屋が立ちます。
「パリの焼き栗」と言うと、ブラボーにはちょっとした思い出があります。
あれは3年前の12月。ブラボーは一人でシャンゼリゼ通りを歩いていました。
凱旋門の前まで来て、ちょっと写真でも撮っておくかとカメラを出したとき、二人の少年に声をかけられました。
凱旋門をバックにわたくしの写真を撮ってあげよう、と言うのです。
「と見せかけてオレのカメラを取って逃げようったって、その手は桑名の焼き蛤」なんて言いながら「私はいいから、あなた達の写
真を撮らせてよ。」と流麗なフランス語で彼等に申しました。
すると「それなら自転車で『技』を見せるから、それを撮ってよ!」と言って自転車に乗り、後ろ車輪だけで走る、などの技の
披露を始めました。
わたくしは「何でこんな事に」と思いながらも、スポーツカメラマンのように、シャッターを押し続けました。
二人の名前はジョシアンとジャン、共に10歳。撮影終了後、彼等はポケットに手を入れ、中から焼き栗を取り出すとわたくしにくれたのです。わたくしはお礼に持っていたミルキーをあげました。
別れを告げてから、貰った焼き栗を口に入れました。
香ばしくて意外にジューシーでとても甘くておいしかった。
パリで初めて食べた焼き栗でした。
再び12月のパリを訪れたブラボーは、二人の少年を思い出し、 焼き栗を買ってみることにしました。
「くださいな」と声をかけてから値段を聞いてびっくり!
30フラン!? 栗が8個で!? 30フランあればバゲットが6本買えるがな。
そんな高級菓子をあの少年達がおやつにしているはずがないやないの!
しかし、あとの祭り。払うしかない。
「にいちゃん、ボッたらあかんでー」と 日本語でつぶやきならお金を払い、
焼きたての栗を口に入れました。
3年前の栗は冷めていたけど、あの時の方がおいしかった。
思い出は戻らないから美しいのね。
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